6.02 (a) 投手の反則行為 ボーク
ボークは合計13種類、塁に走者がいるときは、以下の場合ボークとなります。
(1) 投球動作の中断
(2) 一塁または三塁への偽投
(3) 塁の方向に直接踏み出さない
(4) 走者のいない塁へ送球
(5) 反則投球(クイックピッチ、投手板に触れないで投球)
(6) 打者に正対しないで投げる
(7) 投手板に触れないで投球動作を行う
(8) 不必要な遅延
(9) ボールを持たないで投手板に立つ
(10) ボールから片方の手を外す
(11) 投手板に触れてボールを落とす
(12) 敬遠時、キャッチャーボックス外にいる捕手に投球
(13) セットポジション時、完全静止しない
各々詳細な解説・解釈は公認野球規則や競技者必携、解説書等を参照いただくとして、
公認野球規則には、次のことが記載されています。
【6.02 a 原注】ボークルールの目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐためであることを、審判員は心に銘記しなければならない。もし、審判員の判断で投手の〝意図〟に疑いを抱いたら、審判員は厳重に規則を適用すべきである。
少年野球の場合特に、投手が上記のボークルールを知っていて走者を意図的に騙そうとしているのか、ただその投手の技術が未熟なだけなのか?の見極めが難しいな、と思うのです。
おそらく、「明かな投球動作の中断」や「セットポジションから首以外のところが一旦ピクッと動いて止まってしまう(これも投球動作の中断)」などは、技術が未熟だからなのでしょう。
「セットポジション時、完全静止しない」は、意図的かも知れないし、走者を塁に抱え焦ってしまうという未熟さのためかも知れない。
高校野球のしかも甲子園でのサヨナラボークをした投手の悲痛な表情などを見れば、疲労困憊した状況下で、意図的に騙そうとしたとは思えないのです。
とは言え、ルールはルール。上記のボークルールの中には、安全上配慮が必要なもの(クイックピッチなど)もあり、知らないから、未熟だからといって看過できないこともあります。相手チームもいます。
少年野球においては、投手が走者を意図的に騙そうとしているかの議論以前に、きちんとルールを理解させそれに則した技術を身につけるための指導を行うという観点から、審判員としての技術の向上、規則適用に際しての説明力の向上に努める必要がありますね。