二段モーションに関連して、2020年に、5.07(a)(2)[注2]が改訂されています。
2019年版
5.07(a)(2)[注2]
(1)(2)項でいう”中途で止めたり、変更したり”とは、ワインドアップポジションおよびセットポジションにおいて、投手が投球動作中に、故意に一時停止したり、投球動作をスムーズに行わずに、ことさら段階をつけるモーションをしたり、手足をぶらぶらさせて投球することである。
2020年版
5.07(a)(2)[注2]
(1)(2)でいう”中断”とは、投手が投球動作を起こしてから途中でやめてしまったり、投球動作中に一時停止したりすることであり、”変更”とは、ワインドアップポジションからセットポジション(または、その逆)に移行したり、投球動作から塁への送球(けん制)動作に変更することである。
※いわゆる二段モーションが相手打者の打撃パフォーマンスに影響を与えないとの研究結果から、ルールが変更となっています。
・自由な足を上下させたり、投球動作の途中でグラブを叩いたりすることは、投球動作の一部になるため、規則書で定義される反則投球には該当しない。
【走者がいない場合】
・投球動作を止めたり、足を上下させてもペナルティはない。(2018年の規則改正)
【走者がいる場合】
・投球動作を開始して、足を上下させて打者に投球した→ペナルティ無し
・投球動作を開始して、足を上下させてから走者のいる塁に送球した→ボーク。(投球動作から塁への送球に変更→投球動作の変更、足を直接その塁に踏み出していない)<5.07a(1)(2)、6.02a(1)(3)>
・投球動作を止めた場合は、投球するか塁に送球するかに関係なく、その瞬間にボークとなる。(投球動作の中断)
--------以降の記述は、2019年の公認野球規則およびそれに準ずる規定に基づき記載しておりました。2020年現在では、上述の通り変更となっておりますので、ご注意ください。--------
いわゆる「二段モーション」、投手が投球動作中に、故意に一時停止したり、投球動作をスムーズに行わずに、ことさらに段階をつけるモーションをしたり、手足をぶらぶらさせて投球すること。
2017年まで日本の公認野球規則では、定義38「【注】投手が5.07(a)(1)および(2)に規定された投球動作に違反して投球した場合も、反則投球となる。」と記述がありました。
2018年の規則改正において、国際的な基準に合わせるとして、我が国が独自に定めた上述の定義38【注】は削除され、走者のいないときの“二段モーション”に対してはペナルティを課さないこととされました。
ただし、この規則改正においても2018年公認野球規則では「技術面においても、マナーの面においても“二段モーション”は望ましい投球フォームではない」とされています。
2019年現在では、
・プロ野球(NPB)では、走者のいる・いないに関わらず、二段モーションは反則投球とはなりません。※走者がいる場合の細かな規定は下表参照。
・アマチュア野球においては、走者のいないときの二段モーションは反則投球とはなりませんが注意指導の対象となります。走者のいるときにはボークとなります。
大学野球選手権大会での一場面(動画)
・高校野球では、従来通り、いわゆる“二段モーション”は禁止されており、反則投球となります。
高校野球特別規則(2019年版)「28. 反則投球の取り扱い」
走者がいる場合の取り扱い詳細
事項 | BFJ | NPB |
自由な足を一時停止して投球、塁に送球 | ボーク | ボーク |
自由な足を上下して投球 | ボーク | ボークとはしない |
自由な足を上下して塁に送球 | ボーク | ボーク |
グラブを叩いて投球 | ボーク | ボークとはしない |